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バイオリアクター(生体反応器)は,微生物や酵素等をアルギン酸ナトリウム(コンブなどにふくまれる天然高分子のアルギン酸)等で固定し不溶性にする。この状態で,材料を反応させる。不溶性にしたので,何度も取り出して使うことができる。
今回は,酵母をアルギン酸カルシウムで固定化し,バイオリアクターで使用する,酵母ビーズの作り方と簡単なアルコール発酵実験を紹介する。
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【準備】
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ドライイースト(1g),アルギン酸ナトリウム(1.5g),塩化カルシウム水(1g),ショ糖溶液(10%),水(500ml
程度),注射器(駒込ピペットかロート)(1本),100ml ビーカー(2個),300mlのビーカー(1個),300mlの三角フラスコ(1個),100mlのメスシリンダー(1個),ガラス棒(1本),茶こし(1個)
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【方法】 |
1 酵母ビーズの作成 |
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100mlのビーカーで,ドライイースト1gを水3mlで溶かす。 |
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100mlのビーカーで,アルギン酸ナトリウム1.5gを水100mlで溶かす。
※水だと溶けにくい。湯煎もいいが,今回は湯沸かし器のお湯を使用した。
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酵母とアルギン酸ナトリウムの溶液を混ぜ合わせる。 |
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一方,300mlのビーカーで塩化カルシウム1gを水100mlで溶かしておく。 |
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酵母とアルギン酸ナトリウムの溶液を注射器で吸い上げ,ゆっくりと塩化カルシウム溶液内に滴下する。
落ちた瞬間,イクラみたいなビーズ状のものができる。
※あまり力を入れると,蒟蒻素麺状のものやすごくあやして形の物ができるので,注意が必要。 |
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できた物は,茶こしで取り出すと便利です。表面の塩化カルシウム溶液を洗い流して,酵母ビーズの完成。
※今回は,遊び心で食紅を入れた物もつくってみました。ただ,リアクターとして使用していると,食紅が溶液中に出てきます。 |
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2 アルコール発酵 |
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300mlの三角フラスコに10%のショ糖を作り,酵母ビーズを入れアルミホイルで閉栓しておくと,気泡が出てくる。
一日たったところで,アルミをとってみると酒粕のような臭いがする。
装置は手作りです。そのためカラムと呼ばれる筒状部が短いのが欠点です。構造は2層になっています。内側の試験管に作ったビーズを入れ,その周囲を温水が循環することで,反応を活発にさせます。
今回は,装置の下からショ糖の溶液を入れビーズを通過する際に反応がおこり,上部からアルコールが出てくるのです。 |
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